ITストラテジスト試験 半年合格ロードマップ
⚠️ 最初に重要な確認事項
2026年度から試験制度が大きく変わります。
- 試験方式:紙の試験 → CBT方式(パソコン受験)に移行
- 実施時期:従来の春期(4月)→ **前期(2026年11月頃)**に変更
- 科目名称:午前Ⅰ・午前Ⅱ → 科目A群、午後Ⅰ・午後Ⅱ → 科目B群
- 出題範囲・形式・試験時間自体は変更なし
- 申込みは科目A群・B群を同時予約、前期試験の申込みは1回のみ
つまり今から半年勉強する場合、2026年11月頃の前期試験が本命になります。最新情報はIPA公式サイトで随時確認してください。
結論:半年での合格は十分可能か
可能です。ただし条件があります。
- 合格率は例年14〜15%前後、必要勉強時間の目安は150〜200時間
- IT業界の実務経験者でも200時間程度かかるとされる難関試験
- 1日1時間ペース(週7時間)なら約半年〜7ヶ月で200時間に到達する計算
- 未経験者は経営戦略・IT戦略の知識がゼロからのスタートになるため、上記時間に加えてインプットの時間が追加で必要
半年(約26週)で合格を狙うなら、平日1〜1.5時間+休日3〜4時間(週10〜12時間、合計260〜310時間)を目安にすると安全圏です。
試験の構成(変更後の名称も併記)
| 科目 | 旧名称 | 新名称(2026〜) | 内容 | 配点・形式 |
|---|---|---|---|---|
| 科目A-1 | 午前Ⅰ | 科目A群①相当 | 共通知識(応用情報レベル) | 多肢選択式・免除制度あり |
| 科目A-2 | 午前Ⅱ | 科目A群②相当 | ST専門知識 | 多肢選択式 |
| 科目B-1 | 午後Ⅰ | 科目B群①相当 | 事例解析・記述式 | 記述式 |
| 科目B-2 | 午後Ⅱ | 科目B群②相当 | 論文(経営戦略・IT戦略) | 論述式(2,000〜3,000字程度) |
最大の壁は科目B-2(論文)です。 多くの受験者がここで落ちます。早期から着手することが合格の鍵です。
全体ロードマップ(26週間・約半年)
Phase 1: 基礎固め(1〜6週)
↓
Phase 2: 専門知識・科目A対策(7〜12週)
↓
Phase 3: 科目B-1(記述式)対策(13〜18週)
↓
Phase 4: 科目B-2(論文)対策(19〜24週)
↓
Phase 5: 総仕上げ・模試(25〜26週)Phase 1:基礎固め(1〜6週目)
目的:経営戦略・IT戦略の全体像を掴む。ITストラテジストが何を問われる試験かを理解する。
| 週 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 試験制度の理解(IPA公式サイト確認)、参考書1冊を通読 |
| 2〜3週目 | 経営戦略の基礎用語(SWOT分析・PPM・バランススコアカード等)を学習 |
| 4週目 | DX・IT戦略系の基礎知識(最近の出題トレンド)を学習 |
| 5〜6週目 | 科目A-2(専門知識)の過去問を1年分解いて現状の実力を把握 |
使う教材:ALL IN ONE パーフェクトマスター(後述)
Phase 2:専門知識・科目A対策(7〜12週目)
目的:科目A-1・A-2を安定して合格点(60%)以上取れるようにする。
| 週 | やること |
|---|---|
| 7〜8週目 | 科目A-2の過去問演習を開始(181問の演習問題を回す) |
| 9〜10週目 | 間違えた問題のみ複数回復習。苦手分野を特定 |
| 11週目 | 科目A-1(応用情報レベル)の過去問を5年分、サラッと確認 |
| 12週目 | 科目A群の模擬試験を時間を計って実施 |
ポイント:実務経験があれば科目A-1は免除になる場合があるので、自分の免除資格を必ず確認してください。
Phase 3:科目B-1(記述式)対策(13〜18週目)
目的:問題文を正確に読み取り、設問の意図に沿った解答を時間内に書く力をつける。
| 週 | やること |
|---|---|
| 13週目 | 解答テクニック(マーキング・下書きの仕方)を学ぶ |
| 14〜16週目 | 過去問演習を1日1問ペースで実施(18問分を目標) |
| 17週目 | 間違えた問題の解答プロセスを見直し、なぜそう書くべきだったかを言語化 |
| 18週目 | 時間を計って本番形式で演習(科目B-1は時間配分が命) |
ポイント:「問題文の中に答えがある」試験です。自分の意見ではなく、問題文に書かれた情報を根拠に解答する訓練が重要です。
Phase 4:科目B-2(論文)対策(19〜24週目)★最重要
目的:経営戦略・IT戦略のテーマで2,000〜3,000字の論文を時間内に書き切る力をつける。
| 週 | やること |
|---|---|
| 19週目 | 論文の基本構成(起承転結・設問ア/イ/ウの型)を学ぶ |
| 20週目 | 自分の実務経験(または架空の事例)を2〜3パターン準備し「ネタ帳」を作る |
| 21〜22週目 | 過去問テーマで実際に論文を1本書いてみる(週2本ペース) |
| 23週目 | 書いた論文を自己採点・添削(可能なら通信講座等で他者添削を受ける) |
| 24週目 | 時間内(120分)で論文を書き切る練習を繰り返す |
ポイント:
- 多くの受験生が躓くのがこの論述対策で、早い段階からテーマについて考え、実際に書く練習を繰り返すことが合格への鍵
- 「事例を2つくらい用意して、様々な角度から論文に対応できるよう準備」という合格者の声が多数あり、実務経験ネタを2〜3本仕込んでおき、どんな設問にも応用できる形にしておくのが王道
- 週に2回ペースで論文構想〜執筆の演習を継続するのが効果的という合格者の声あり
Phase 5:総仕上げ・模試(25〜26週目)
| 週 | やること |
|---|---|
| 25週目 | 科目A〜B全体を通した模擬試験を実施 |
| 26週目 | 苦手分野の最終確認、論文の型を最終チェック、試験当日のシミュレーション |
購入すべき書籍(5冊)
| 番号 | 書籍名 | 用途 | 価格目安 |
|---|---|---|---|
| ① | 2026年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター ITストラテジスト | 全範囲の網羅的インプット(最初の1冊) | 約3,168円 |
| ② | ITストラテジスト 用語集・プログラミング英単語(ライセンスラボ・電子書籍) | 隙間時間の単語暗記 | 数百円 |
| ③ | 2025-2026 ITストラテジスト「専門知識+午後問題」の重点対策(アイテック) | 科目A-2演習問題181問+科目B-1演習問題18問 | 約3,000円台 |
| ④ | 情報処理教科書 ITストラテジスト 2026〜2027年版(翔泳社) | 科目B-1・B-2(記述・論文)対策のメイン教材 | 約4,075円 |
| ⑤ | ITストラテジスト 合格論文の書き方・事例集 第6版 | 論文の型・事例ストックを増やす | 約3,234円 |
合計:書籍代 約14,000円
週ごとの教材使用タイミング(全体表)
| 週 | フェーズ | メイン教材 | 使い方 | サブ教材 |
|---|---|---|---|---|
| 1週目 | 基礎 | ① 通読 | 最初から最後まで流し読み。理解度は気にしない | ② 毎日5分 |
| 2〜3週目 | 基礎 | ① 章ごと精読 | 経営戦略の章をノートにまとめながら読む | ② 継続 |
| 4週目 | 基礎 | ① 章ごと精読 | DX・IT戦略系の章を読む | ② 継続 |
| 5〜6週目 | 基礎→演習切替 | ① 総復習 | 科目A-2過去問1年分を解いて現状把握 | ② 継続 |
| 7〜8週目 | 科目A演習 | ③ 科目A-2の181問 | 1周解く。間違えた問題に印をつける | ② 継続 |
| 9〜10週目 | 科目A演習 | ③ 間違えた問題のみ反復 | 印をつけた問題だけ3回転する | ② 継続 |
| 11週目 | 科目A演習 | ③ 科目A-1過去問5年分 | サラッと解いて感覚を掴む(免除者はスキップ) | ② 継続 |
| 12週目 | 科目A総仕上げ | ③ 模擬試験形式 | 時間を計って科目A群を通しで解く | - |
| 13週目 | 科目B-1入門 | ④ 解答テクニック章 | マーキング・下書きの型を読んで理解する | - |
| 14〜16週目 | 科目B-1演習 | ③ 午後問題18問 | 1日1問ペースで解く(読む本ではなく解く本) | - |
| 17週目 | 科目B-1復習 | ③ 間違えた問題の解き直し | なぜその解答かを自分の言葉で説明できるか確認 | - |
| 18週目 | 科目B-1総仕上げ | ③ 時間を計って本番形式 | 制限時間内に解き切る練習 | - |
| 19週目 | 論文入門 | ④ 論文の型の章 | 設問ア/イ/ウの構成を理解する(読むだけ) | - |
| 20週目 | 論文ネタ作り | ⑤ 合格論文を3〜5本読む | 型に慣れる+自分用ネタ帳を2〜3パターン作成 | - |
| 21〜22週目 | 論文執筆練習 | ④ 過去問テーマで執筆 | 週2本書く。書いたら⑤の模範解答と比較 | ⑤ 比較用 |
| 23週目 | 論文添削・改善 | ⑤ 自己採点 or 他者添削 | 弱点を特定して言語化する | - |
| 24週目 | 論文総仕上げ | ④⑤ 併用 | 120分計って本番形式で書き切る練習 | - |
| 25週目 | 全体模試 | 全教材横断 | 科目A・B-1・B-2を通しで本番同様に実施 | - |
| 26週目 | 最終調整 | 弱点のみ復習 | 当日の時間配分・持ち物を最終確認 | - |
重要:④⑤は「最初から最後まで読んでから書き始める」のはNGです。1テーマ読んだら、その場ですぐ自分で1本書いてみる方式(読む→真似して書く→添削して直す)で使ってください。論文は読むだけでは書けるようになりません。
各フェーズで「これができてないとまずい」チェックリスト
Phase 1終了時点(6週目)でできているべきこと
- SWOT分析・PPM・バランススコアカードなど主要な経営戦略フレームワークを人に説明できる
- 試験の科目構成(科目A群・B群)と配点を正確に把握している
- 科目A-2の過去問1年分を解いて、正答率が何%か把握している(50%以下でも今は問題なし、現状把握が目的)
できていない場合:Phase 2に進まず、もう1週間①の通読に充ててください。土台がないまま演習に入ると7〜12週目が崩れます。
Phase 2終了時点(12週目)でできているべきこと
- 科目A-2の181問のうち、間違えた問題の正答率が80%以上になっている
- 科目A-1(免除でない場合)で安定して60%超えが取れている
- 模擬試験を時間内に解き切れている
できていない場合:13週目に進む前に1週間バッファを使って科目Aを固めてください。科目Aが不安定なまま科目Bに進むと、本番で科目Aから崩れて足切りになるリスクがあります。
Phase 3終了時点(18週目)でできているべきこと
- 科目B-1の過去問18問を解き終えている
- 「問題文のどこを根拠にその解答を書いたか」を毎回説明できる
- 制限時間内(科目B-1は90分が目安)に最後まで解答欄を埋められる
できていない場合:これは特に注意です。19週目から論文対策に入る予定なので、ここで足踏みすると論文対策の時間が削られます。最低限「時間内に解き切る」ことだけは18週目で達成してください。
Phase 4終了時点(24週目)でできているべきこと ★最重要
- 自分用の論文ネタが最低2パターン(できれば3パターン)完成している
- そのネタを使って実際に論文を5本以上書いた経験がある
- 120分で2,000〜3,000字を書き切れる(内容の完成度より「時間内に書き切る」が最優先)
- 第三者(添削サービス・知人・SNS等)に最低1回は論文を見てもらっている
できていない場合:ここが半年計画で唯一妥協できないポイントです。もし24週目時点でこれらが未達なら、25〜26週目は模試をやめて論文対策に全振りしてください。科目A・B-1がどれだけ仕上がっていても、論文がB+判定(不合格)だと総合不合格になります。
Phase 5終了時点(試験前日)でできているべきこと
- 科目A・B-1・B-2すべてを通しで本番同様の時間配分で1回は実施している
- 論文のネタ帳を試験当日に持ち込める形(記憶 or メモ)で整理している
- CBT会場の場所・持ち物・受験時間をIPA公式サイトで最終確認している
各書籍のポイント(つまずきやすい点)
①ALL IN ONE パーフェクトマスター 最初は理解できなくて当然です。1周目は「こういう範囲があるんだ」と把握するだけで十分。完璧に覚えようとして1週目で止まる人が多いので注意。
②用語集(電子書籍) 通勤・寝る前などの隙間時間専用。机に向かって使う教材ではなく、スマホで1日5分だけ眺める使い方が正解。
③重点対策(演習問題集) 1回解いて終わりにしないこと。間違えた問題に印をつけて、その問題だけを3回転以上繰り返すのが正しい使い方。全部を毎回満遍なく解き直すのは非効率。
④情報処理教科書 科目B-1の章と科目B-2(論文)の章で使うタイミングが全く違う。13週目(B-1)と19週目以降(B-2)で別の章を使うことを意識する。
⑤合格論文の書き方・事例集 他人の論文をそのまま丸暗記しても意味がない。構成・展開の「型」を盗んで、自分の実務経験に当てはめて書き直す練習に使う。
かかる費用の合計
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 書籍代(上記5冊) | 約14,000円 |
| 受験料 | 7,500円 |
| 模試(必要であれば、通信講座の模試パック等) | 0〜15,000円(任意) |
| 通信講座を使う場合(任意・推奨はしないが選択肢として) | 30,000〜100,000円 |
独学のみの最小構成:約21,500円 模試を1回追加する場合:約25,000〜35,000円
通信講座(スタディング等)を使う場合は3〜10万円程度かかりますが、論文添削が受けられる点が独学との最大の差です。特に論文(科目B-2)に自信がない場合は、添削だけ単発で受けられるサービスを使うのも有効な選択肢です。
半年で合格するための心構え
- 論文対策(Phase 4)を先延ばしにしない 最大の落とし穴です。20週目には最低1本書き始めてください。
- 過去問は「解く」より「分析する」 1問にかける時間を惜しまず、なぜその解答になるのかのロジックを理解することが重要です。
- 科目Aで時間を使いすぎない 実務経験があれば科目Aは比較的取りやすいので、早めに切り上げて科目Bに時間を割いてください。
- 2026年度の試験制度変更を必ずIPA公式サイトで確認する CBT移行・日程変更の詳細は今後も更新される可能性があるため、申込み前に最新情報を確認してください。
参考:学習ペース早見表
| 1日の学習時間 | 週あたり | 26週間の総時間 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 30分 | 3.5時間 | 約91時間 | 不足の可能性あり |
| 1時間 | 7時間 | 約182時間 | ギリギリのライン |
| 1.5時間 | 10.5時間 | 約273時間 | 安全圏 |
| 2時間 | 14時間 | 約364時間 | 余裕を持って合格圏 |
平日1〜1.5時間+休日にまとめて3〜4時間が最も現実的なペースです。